旅~『深夜特急』

 29,2016 22:00
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夏休み中,観ようと思っていたDVDがあった。沢木耕太郎さんの『深夜特急1~3』。観た,観た。

昔,夢中で一気に本を読んで,まるで自分がアジアからユーラシア大陸を経てヨーロッパまでの旅をしたような気持ちになったけれど,今回はまた違った気持ちで観た。

主人公は26歳。今の自分を重ねるというよりは,私の「当時」を重ねて観た。ちょうど私も同じ頃,カナダの学校に行ったり働いたり,帰国後一人旅に行ったりしていた年代。
親には内緒で準備を進め,すべて整ったところで「実は今度行って来る」と言いだし,仰天させてしまったものだった・・・(^_^;)。大使館から届くメープルリーフマークの手紙は「今の仕事の資料」と言い,手続きの色々で東京に行く際には「古本屋さんに行って来る」と言って出かけていた。
親に正直に言えば絶対反対されるのがわかっていたからとはいえ,今思えば大胆なことをしたものだとも思う。

そのくせ,出発直前になって父に「あっちの暮らしってどう思う?」などと,漠然とした不安感をにじませたりして。
そんな時父は「世界中どこに行っても,そこに暮らす人がいるのなら,それは暮らせる場所だということだろう。」と端的に返事をしてくれた。

深夜特急を観ながら,一人旅の高揚感と心細さ,出遭いの妙,様々な出来事との遭遇など・・・色々な感覚を思い出した。

印象的だったのは,DVD最後にあった沢木耕太郎さんのインタビュー。バックパッカー旅行をする熟年夫婦と,ツアーでゆったり参加していた日本人旅行者に関する比較的なコメント。

沢木さんはツアーに参加する日本人のその旅のほうが,「なんだかいいな,と感じた。」と言ったのだった。そこがものすごく意外だった。

5ドル程度のチケットにこの世の終わりのようなリアクションをする熟年夫婦の旅に「どこか無理がある」事を見てとり,むしろその年代ではゆとりのあるツアーで見て回る日本人旅行者に「無理のない良さ」を感じたという。このコメントが,『深夜特急』に出てくる,26歳時の彼のホットな旅を,余計際立たせた感があったと思う。

自分自身の,時の変遷ということをじんわりと感じさせてくれ,私自身にとっての「深夜特急」の時代を懐かしく,嬉しく思い出させてくれたこのDVD。本当,観てよかった。

私のよく知らない地域での暮らしそのものを垣間見ることがとても新鮮なのと同じように,私自身の日々の何という事はない暮らしそのものも,やっぱり同じように,新鮮なものなのだ。少し立ち位置を違えて見てみれば,何もかも惹かれる情景や生活そのもの。

季節ごとの暮らしぶり,食べ物,習慣,そんな毎日の自然に,自然なままある情景が,改めて愛しく思えた。

・・・そんなわけで,この夏休みを利用して,深い時空間の旅をして帰宅した私は(笑),また新鮮な気持ちでこの場所での暮らしを営んでいきたいなーと思ってる。
(疲れちゃう日もあるけれど,)毎日の暮らしそのものの愛しさを,振り返り感じとりながら生きたいな,と。

これが今回の「旅」の収穫♪

やっぱり,旅,って,いい~❤
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Comment 2

2016.08.30
Tue
22:59

aunt carrot #Hzu7QKvo

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深夜特急、、、嵌りますよね。
何年か前に観て、そして本も図書館で借りて、、、、
毎日妄想しまくりましたよ。
生きていくにはTシャツ何枚かとGパンとちょっとした温度調節の上着があれば
良いんだとおもいました。
自由に羽ばたいて世界を旅行する人と暮らしたい、なんて思い詰めたり、、、(猛爆)
オシャレな服なんて無意味さ、って思ったり、、、、(猛爆)
今でも毎日心は深夜特急な私で~す!

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2016.08.31
Wed
21:48

山麓 #-

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aunt carrotさんへ

aunt carrotさんも深夜特急にハマったお一人なのですね。確か沢木耕太郎さんはその著書の中で,人と一緒の旅だと「美しいね」「そうだね」といった会話で終わってしまうところでも,一人旅というのはそこで言葉に出さない分もっとその時受けた感動を深く味わうことができるといった内容があり,思わず「そう!そう!」と深くうなずいた記憶があります。彼の帰ってきてからの心の変遷も聞いてみたいな・・・と思います。時を隔てても,また違った視点で楽しめる作品ですね。次は冬休みか,来年の夏休みかな・・・(笑)私もaunt carrotさんのように,いつまでも心は毎日深夜特急でいたいです♪

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